河岸段丘と崖下の湧水を愉しむ~日野・後編~
河岸段丘の地形が手に取るようにわかる日野へ
断崖の湧水も豊富で見どころ満載のコース!
後編
<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)
<地形の特徴>日野台地(茶色部分)が多摩川(左上からの流れ)と浅川(左下からの流れ)に削られて、百段階段付近が台地の突端となっている。江戸時代の日野宿は低地(緑色部分)の部分に形成されていたのもわかる
さらに、浅川の河岸段丘がとても面白い。浅川の浸食度合いにより、日野台地の上位面(濃茶色)→下位面(茶色)→低位面(黄~緑色)と段々になっている
後編は、地図中央の東豊田一丁目付近からスタート
<全行程の標高・勾配>
標高差は約30mと大きい。
特に後編では、勾配がきついところをアップダウンする
疲れが出てくる後編では、少しきついかも
低地の のどかな田園風景と別れ、崖線を登ってゆく(日野台地・低位面→下位面)
木立を通り抜けつつ、斜面を斜めに登ってゆく
崖上を進んでゆくと、分かれ道にぶつかる
左の坂を登ってゆくと日野台地(上位面)上にある市役所に至る
今回は、右の崖下の道を、崖線に沿って進む
この写真では、分かりづらいが右下の金網から
暗渠となって流れていた黒川水路が顔を出している
崖下に沿ってしばらく進むと日野バイパスの下をくぐる
バイパスの下からは、急な登坂がつづく。
何とか坂を登り切ってホッとしていると、目の前に崖線を登ってゆく道が!
もうひと頑張りだ、日野台地(上位面)の上に続く坂を登る
坂を登り切り一息入れる。お茶を飲みながら眺望を楽しむ
日野台地(上位面)からの眺め
鮮やかな新緑が目に優しい
右手、奥に見える白い建物がエプソンの工場
台地上を百段階段にむかう途中、木々が生い茂ったイイ感じの路地を発見
ルートを変更して行ってみる。
道はしっかりと踏みしめられており、崖下と崖上を結ぶ生活道路として使われているのだろう
古道を彷彿させ、風情がなんとも良い
頭上まで木々が生い茂り、日中でも薄暗い、夜一人で歩くのはちょっと怖そうだ
低地を歩いていると、崖下を丹念に調べている人がいた。
何かあるのかと思いグーグルマップを見てみる。
谷仲山湧水だ。今回3つ目の湧水を偶然発見
改めて、グーグルマップのすごさを実感!
湧水量は、毎秒1.4~0.4リットル程度(天候・季節により変動)
湧水量は少ないが、小川を連想させ、ほのぼのとした
百段階段。今回のお目当ての一つだ
写真で見るのとは大違い。見上げると、急こう配の百段の階段に圧倒される。
ワクワクしながら、一段一段登り始める
階段の中間から望む
日野台地(上位面)の突端に位置するので眺めがよい
階段下も一直線につづく道、気持ちが良い
階段を登りきると目の前は桜並木だ!
一直線の道路と桜並木、ダイナミックな構図が気持ち良い
桜は終わってしまったが、満開の桜は最高だろう
台地の上を縁に沿って東に進んだところにある跨道橋(道路をまたぐ橋)からの眺め
左右に展開する道路が中央自動車道
その下を通るのが市役所通り
いずれも日野台地を削って作られたのが分かる
(市役所通りは、かなり深いところまで台地を削っている)
これが「切通し」の道だ
中央自動車道を陸橋で越えると、矢の山公園に出る。
台地の縁に位置するので眺めを期待したが、木々の新緑のためほとんど眺望はなかった。
いよいよ今回最後の坂だ。公園から日野駅に至る坂道だ
急こう配のため丸いリング状の窪みが滑り止めとして多用されている
日野駅南口にあるイラストマップ
地形分野の大御所・今尾恵介氏によるものだ
ほのぼのとして、やさしい
本日のゴール地点、日野宿本陣
参勤交代で大名が泊まった宿だが、意外とこじんまりしている印象だった
次回は、新選組をテーマにして巡ってみたい
今回も晴天に恵まれ、気持ちの良い地形歩きだった。
特に、崖下の黒川清流公園は、崖線と崖下の豊富な湧水を利用した素晴らしい公園だった。百段階段もダイナミックな作りと見晴らしが素晴らしかった。また、是非とも訪れたい。