河岸段丘と崖下の湧水を愉しむ~日野・前編~
河岸段丘の地形が手に取るようにわかる日野へ
断崖の湧水も豊富で見どころ満載のコース!
<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)
スタートは、JR中央線の豊田駅。ゴールは、旧甲州街道の日野宿本陣。約8kmのコース
標高差は約30mと大きく、勾配がきついところも多々。少しきつめのコース
<地形の特徴>
日野台地(茶色部分)が多摩川(左上からの流れ)と浅川(左下からの流れ)に削られて、百段階段付近が台地の突端となっている。江戸時代の日野宿は低地(緑色部分)の部分に形成されていたのもわかる
さらに、浅川の河岸段丘がとても面白い。浅川の浸食度合いにより、日野台地の上位面(濃茶色)→下位面(茶色)→低位面(黄~緑色)と段々になっている
下の図のA-Bライン断面図を見ると段々が手に取るようにわかる
河岸段丘は他にもあるが、豊田の河岸段丘はコンパクトにまとまっているのでお勧めだ
標高差30mが1Km距離の中に納まっている
つまり、1Km歩くだけで上位面から低位面まで堪能できるのだ
豊田駅南口からスタート
スタート地点は日野台地・下位面、直線道路の先に低位面が望める
その先には、こんもりとした丘(南平丘陵)まで見える
地形好きには、たまらないスリバチ地形だ
坂を下ったところに豊田用水が流れている
ここが日野台地の低位面だ
豊田用水を上流に向かって進み、勢いよく流れ込む支流をさかのぼると湧水スポットだ!
日野台地(下位面)上に立つのが中央図書館。台地崖下から水が湧き出している
湧水量は、毎秒6~32リットル程度(天候・季節により変動)
清らかな流れで、心まで洗われる
一旦、中央図書館から豊田駅に戻る
豊田駅北口方面を望むと崖になっているのが分かる
崖上が日野台地・上位面だ
下位面から上位面を望む格好になる
駅北口に向かって、急坂を登ってゆく
急坂のため自転車の人は、押して登っている
豊田駅北口を通過し、台地の上を進む
台地の上から浅川方面を望む
奥に見える丘は、浅川の対岸の南平丘陵だ
さらに進むと緑地公園に入る
土を踏む靴の感触が心地よく、新緑が目に優しい
なんとも気持ちが良い
台地の上の緑地公園から崖下の黒川清流公園に坂を下ってゆく
かなりの急坂だ!
あずまや池やひょうたん池にも行きたかったが先が長いので次回の楽しみに取っておく
わきみず池に向かう
わきみず公園近くでは、日野台地(上位面)の崖下から湧き出た水が
とうとうと流れ出ている。豊富な水量だ!(奥の白い堰の部分をよく見ると分かる)
湧水量は、毎秒23~120リットル程度(天候・季節により変動)
この崖下の湧水を集めて出来た流れが黒川水路だ
下流で豊田用水と合流する
崖下から南下、中央線の線路を超えて、若宮神社へ
社殿の前に立派な古木がそびえる
晴天の青空と新緑のコントラストがなんとも気持ちが良い
若宮神社は、有村架純の撮休(WOWOW・ドラマ)第一話のロケ地だ
https://www.wowow.co.jp/drama/original/satsukyu/
参道・階段上から崖下(日野台地・低位面)を望む
地形図からも若宮神社が、日野台地(下位面)の縁に鎮座していることが分かる
このアングル、有村架純の撮休で使われている
しばし、ドラマのシーンに思いをはせる
若宮神社から南下中に大仏を発見。善生寺の大仏だ
善生寺の境内を進むと、社殿の裏に崖上に繋がる階段が!
急な階段を登りきると、大仏様のお膝元にでる。展望台にもなっている
若宮神社から続く、緑の崖線が手に取るようにわかる
地形好きにはたまらない構図だ
見晴らしがよく、とても気持ちが良い
善生寺から、さらに南下し豊田用水に再会
しばらく豊田用水に沿ってのんびり歩く
崖上には落ち着いた住宅街
崖下は用水に沿ってのどかな田園風景が広がっている
川のせせらぎ、菜の花の黄色、空の青さ、心地よい風
全てがマッチして、とても清々しい。
後編につづく