神田川と妙正寺川の合流点を巡る~目白・落合~
皆さん こんにちは
線状降水帯による、大雨がやっと治まってきましたが、お元気ですか?
今回は、神田川と妙正寺川(みょうしょうじがわ)の合流点を巡りつつ、坂も楽しんできましたので紹介します。
まずは、このエリアの地形の特徴からです。
<地形図>カシミール3Dで作成 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)
今回歩いたルートを赤線で示しています。目白駅から落合南長崎駅まで歩いてきました。
<地形の特徴>
・地名の「落合」とは、妙正寺川(みょうしょうじがわ)と神田川が落ち合うところから名付けられたようです
・左上から右にかけて妙正寺川が流れています。現在、治水対策により画面中央部分から暗渠になり、高戸橋(豊島区高田3)付近で神田川本流に流れ込んでいます。
・左下から右にかけて神田川が流れています。緑色の部分が神田川が作った低地です
地形図のA-Bラインを下の断面図で見ると、
左側の窪みに妙正寺川、右側の窪みに神田川が流れています。神田川の方が川幅が広いですね。水量が多かったのでしょう。
また、北側(A)台地の方が標高が高く、川との標高差は17mもあります。急な坂が続いていることが分かりますね。今回、北側台地に向かう斜面も堪能してきましたのでお楽しみに!
それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。
目白駅から西に向かいます。段々と大きなお屋敷が目に付くようになってきました。
道の真ん中に突然ケヤキの木が現れました。旧近衛邸のケヤキです。
目白駅西側の台地は、明治時代に華族・近衛家の所有する広大な敷地があり「近衛町」と呼ばれていたようです。戦後、近衛邸の解体の際、住民の願いにより保存されることになったそうです。不自然に道の真ん中に残されたケヤキには歴史があるんですね。
少し進むと、しゃれた建物が目に入ってきました。
目白ヶ丘教会です。フランク・ロイド・ライトの弟子である遠藤新(えんどうあらた)の設計です。丸窓や鐘楼のデザインが独特でとてもオシャレですね。
道の突き当りにも、素敵な建物が見えてきました。
日立製作所目白クラブです。元々は学習院の学生寮として建てられたようです。印象深いフォルムが素敵です。見とれてしまいます。残念ながら、敷地の一部にはマンションが建ってしまうようです。
高級住宅地のある台地から段々と低地に下りて来ると、目の前には公園が広がっていました。
おとめ山公園です。「おとめ」からは、「乙女」を連想して乙女のような綺麗な公園なのかとイメージしていました。実は「御留」が正解のようです。江戸時代、この一帯は将軍家の鷹狩場で、庶民の立ち入りが禁止されていたことから御留山と名付けられたそうです。
上の写真は、下の池 (弁天池)です。奥には広々とした芝生が広がり、見通しの良い明るい水辺です。
おとめ山通りを横切り、公園内を高台に移動します。
おとめ山公園の高台から眺めです。かなりの高低差です。この直下(崖下)には、水が湧きだしているようです。東京都の名湧水に選ばれています。
公園脇の相馬坂を下って、妙正寺川を目指します。
妙正寺川(右の川)に神田川の一部(高田馬場分水路)が合流しています。川が完全に護岸されていて都市化されています。あまり風情はないですね。
下流を振り返ってみました。
妙正寺川が地下に潜りこんで、この先は暗渠になってしまいます。黒いひらひらに遮られて水路の中が見えません。突然川が終わってしまったようで、寂しい気持ちになりました。
神田川に出ました。こちらは川沿いに緑が整備されて、都市河川の無機的な感じを和らげてくれます。目の前には、先ほど妙正寺川に合流していた水路(高田馬場分水路)の入り口が見えます。神田川の水量が多くなると、洪水を防ぐために妙正寺川に水を分散させるのですね。
再び妙正寺川に戻り、川沿いを歩きながら北側の台地を目指します。
三の坂通りです。北側の台地に向かう坂です。この辺りには、「一の坂」から「八の坂」まであります。全部上り下りしてみたいです!
この坂は、登らず次の坂へ向かいます。
四の坂通りの階段です。結構急な階段です。一気の登ると息が切れました。右側には林芙美子記念館が見えます。日当たりの良い南斜面に高低差を利用して作られています。昔は、高い建物などなく、眺めがよかったのかもしれません。
台地の上に出ました。住宅街を道なりに進んで行くと、急にお寺が現れました。
中井出世不動尊です。「出世」いい響きですね。少しはご利益がありますようにと、合掌してきました。こちらの不動尊と出世との関係は説明書になかったので、興味湧きました。帰ってから調べてみましたが、未だにわかりません……
最後に、一度訪ねてみたかった所へ向かいます。
ホビーセンターカトー東京店です。店舗の前には、デハ268がどーんと鎮座しています。赤い車両がかっこいいです! 1階と2階の広々したスペースに鉄道模型や巨大ジオラマが展示されています。ジオラマがでっかくて見ごたえあります。童心に帰って、模型の走るジオラマを堪能しました。
今回は、ここまでになります。
皆さんも2つの川の合流地点を巡って、水辺につづく坂道を愉しんでみてはいかがですか?
今回も以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京スリバチ地形散歩 路地大冒険編(皆川典久・著/洋泉社)
神田川については、コチラもご覧ください