地形を愉しむ

地形散歩~地形の凸凹・スリバチを散歩で愉しむ~

弦巻川跡を辿り関口台の坂を愉しむ~池袋・関口~

皆さん こんにちは

週末ごとに雨が続いていて街歩きもしにくい状況ですが、お元気ですか?

前回の水窪川に続き、今回は暗渠となってしまった弦巻川の跡を数カ月前に辿ってきました。池袋から文京区の目白台・関口台にかけて巡りましたので紹介します。

水窪川の記事はコチラ>

chikei.hateblo.jp

まずは、このエリアの地形の特徴からです。

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<地形図>カシミール3Dで作成 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

今回歩いたルートを赤線で示しています。池袋駅から江戸川橋駅まで歩いてきました。

 

<地形の特徴>

・中央の茶色の部分が護国寺が鎮座している台地です

・左下から右下にかけて神田川が流れています。緑色の部分が神田川が作った低地です

・中央上から左下に続く緑色の部分が小石川(谷端川)跡です

 

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。

池袋西口からホテルメトロポリタンに向かいます。

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メトロポリタンの東側道路です。写真中央部分が少し窪んでいますね。弦巻川の源流部となる丸池がこの辺りにあったようです。建物は近代的になり池があったなんて想像できませんが、しっかり地形に名残が残っているんですね。

JRの線路の下をくぐり、弦巻通りに入ってゆきます。

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しばらく進むと東京音楽大学の近代的な校舎が見えてきます。右の道を進みます。蛇行しているところから、川跡の気配がぷんぷんします。

雑司が谷大鳥神社の横を通りすぎ、都電の踏切も越えてどんどん進みます。

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左側は寶城寺の境内です。雑司ヶ谷霊園に向けて小高い台地になっています。このあたりも道が蛇行していますね。川跡っぽくてイイ感じです。

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川跡の弦巻通りには昭和な雰囲気を残すお店が残っています。今で言うとショッピングモールと言ったところでしょうか? さびれた感じがいい味を出しています。

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清土鬼子母神目白台2丁目)の裏です。壁と地面から水が染み出して、流れをつくっています。と言うことは、弦巻川もこのあたりを流れていたのでしょう! 地形的にもこのあたり窪んでいます! 弦巻川跡を見つけ気分が一気に上がります。

この先、弦巻川は首都高・高架下を流れていたのですが、歩道がなく辿れなくなってしまいました。せっかくなので、目白台に寄り道してきました。

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腰掛稲荷神社です。鷹狩りに出掛けた三代将軍徳川家光が休息のため切株に腰を掛けた場所だそうです。目白台の突端にあります。かつて崖下には弦巻川が流れていたんでしょうね。

不忍通りから音羽通りに入り、再び弦巻川跡にアプローチします。

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首都高の高架下の遊歩道です。この下を暗渠になった弦巻川が流れているようです。すっかり整備されてしまい面影を感じられないので、音羽の谷から目白台・関口台につづく坂道を愉しむことにしました。

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三丁目坂です。ぐぃーんと曲がっていて、いい感じです。道の行き先は青空に抜けてます。気持ちいいですね。

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鉄砲坂です。すごい急坂です! 下りだったので楽々でしたが、上りだとキツイですね。江戸時代に崖を利用した鉄砲の射撃練習場があったことから名付けられたそうです。

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関口台公園です。関口台から音羽の谷への高低差を利用して作られています。音羽通り沿いのビル群に遮られて眺望がないのが少し残念です。一番高いところは、首都高の道路面と同じ高さにあり、走っている車をのんびり眺めながら暫し休憩します。

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関口台公園の脇を通る鳥尾坂です。明治時代、鉄砲坂は急坂すぎて自動車でも通れなかったそうです。そこで坂上に邸宅のあった鳥尾子爵が私財を投じて新たに坂道を開いたことから名付けられたそうです。ここも傾斜が凄いですが、鉄砲坂よりはマシなようですね。

坂を登ってゆくと、急に東京カテドラル聖マリア大聖堂の勇壮なフォルムが目に入ってきます。良い坂ですね。いっぺんで好きになりました。

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七丁目坂です。手すりが付いていますね。ここもかなりの急坂です。ゆっくり階段を下ってゆきます。

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ここまで来たので目白坂(古道・清戸道)も堪能します。目白坂上にある幸神社です。このあたりに目白の地名由来となった目白不動堂(戦災で焼失前)があったようです。

これまでの坂よりは、なだらかな目白坂を下って、いよいよ弦巻川の最後を見届けます。

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暗渠となった弦巻川が神田川に合流しました。水量は少ないですね。神田川の桜並木をみると春の素敵な風景が目に浮かびます。来年は、花見を心から楽しめることを祈りたいと思います。
今回は、ここまでになります。

皆さんも弦巻川の跡をたどりながら、関口台に続く坂道を愉しんでみてはいかがですか?

 

今回も以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。

・東京スリバチ地形散歩 都心新発見編(皆川典久・著/洋泉社